下肢とは足のことで、静脈瘤は血管(静脈)が文字どうりコブ(瘤)のようにふくらんだ状態のことをいいます。静脈の中にある逆流防止弁が壊れ、血液が足首に向かって逆流することで起こります。日本人の10人に1人に下肢静脈瘤があり、患者数は1000万人以上、出産経験のある成人女性の2人に1人が発症する非常に身近な病気です。
初期には見た目にボコボコと血管が浮き出るだけですが、進行すると足のむくみやだるさ、こむら返りなどの症状がみられます。さらに重症化するとかゆみや湿疹などの皮膚症状、痛みを伴う皮膚潰瘍がみられます。また静脈瘤から噴き出すような出血、強い痛みを伴う血栓性静脈炎、血栓による肺塞栓症が起こる場合があります。
下肢静脈瘤は見た目の太さによって伏在型・側枝型・網目状・くもの巣状の4種類に分類されます。一般的に外科的治療(血管内焼灼術、血管内塞栓術)が必要となるのは伏在型静脈瘤で、患者様の状態にあわせて複数の治療法を組み合わせます。
静脈に光ファイバーというレーザー光を通す細い管を入れ、その先端からレーザー光を照射して、発生した熱により静脈を内側から閉塞させる治療(血管内レーザー治療)です。焼いた静脈は治療後半年ぐらいで吸収されてなくなってしまいます。保険適応されています。
2019年12月に保険適用になった治療法で、下肢静脈専用に開発された医療用接着剤(グルー)をカテーテルで治療する血管内に注入して血管を閉塞します。熱によって血管をふさぐ血管内焼灼治療と比べて、熱を伴わない血管内接着剤治療はやけどや神経障害など周辺組織への影響や痛みが少ないのがメリットです。医療用接着剤に対するアレルギーやアレルギー体質の方は治療を受けられない場合があります。
硬化療法は、下肢の静脈瘤に薬を注射して固める治療です。固めた血管が硬くなることから硬化療法と呼ばれています。硬くなった静脈は、半年ぐらいで吸収されて消えてしまいます。薬剤によるアレルギーや色素沈着がおこることがあります。
弾性ストッキングは足を締めつけて、ふくらはぎの筋ポンプ作用を助けることによって静脈還流をうながし、足に血液がたまるのを防ぎます。しかし履くのが難しかったり、かぶれなどのトラブルをおこすことがあり、長く履き続けることが難しいものでもあります。
当院で血管内塞栓術を行った場合の費用は以下の通りです。
1泊2日入院(局所麻酔、片足)約6万5千円(3割負担の場合)
ただし高額療養費制度というものがあるため、患者さんごとの年齢や収入によって定められた限度額以上の金額を支払う必要はありません。
1泊2日入院(局所麻酔、片足): 約1万5千円で受けられる場合もあります。
詳しくは病院の入院窓口にお問い合わせください。
当院は外科系の専門医制度と連携したデータベース事業「NCD (National Clinical Database)」に協力しています。「NCD 」は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者様に最善の医療を提供することをめざすプロジェクトです。
2025年1月6日〜
午前診療時間:9:00-12:00
受付時間:8:00-12:00
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午後診療時間:14:00-17:00
受付時間:13:30-17:00
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